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ちょっと前までは散歩というと夜。
5キロ~10キロをガンガン歩いて帰ってくる。夜中の1時、2時に皇居周辺を歩き回るのもざらだった。
それが梅雨が明ける頃から、夜型の生活を改めたのもあって、昼間の10分から20分の散歩を日に3~4本するスタイルに切り替えた。
それで近場を歩く“散歩道”になったわけだが、久しぶりに夜の散歩に出てみた。
隅田川に架かる両国橋まで片道約4.5キロの往復。靖国通りをひたすら川に向かって歩くコースだ。
夜の、夜中の散歩は、それはそれで気持ちがよい。タクシーは引っ切り無しに走ってはいるけれど、ひと気の失せた街を黙々と歩いていると、頭の中の雑多なことが浮上しては消えていく。
それは子どもの頃の出来事だったり、会社員の頃のことだったり、忘れかけていた誰かとの会話だったり。
頭の中で、思いもよらない引き出しが不意に開いて、「そういえばああだった、こうだった」と思い返しては、現実と薄皮一枚違う次元にいる感覚で対話が始まる。それが次々と場面を変えては消えていく。脳の浄化みたいなことが起こるのだ。で、帰ってくると、何を浄化したのか憶えていない。心地よい疲労感が残るだけ。
両国橋から工事中のスカイツリーを眺める。
あと3キロも歩けばツリーに行けるけど、今日のところは引き返すことにした。
最近、ロングウォークをしてないので、往復15キロは覚悟がいる。
久々の夜の散歩は約9キロの道程。
あれこれ思い出したことは、やっぱり憶えていない。
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by io_hazuki
| 2010-11-16 19:58
| ◆魚のサンポ道
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「スカイツリーまで歩くの?」
「うん、だって見えるじゃない」
「……そういう発想、なかったなあ」
前を歩いていた20代らしきカップルが話していた。
東の方角。
晴れた日にはよく見える。
歩いていけない距離じゃない。
靖国通りを隅田川に向かってひたすら歩く。
両国橋まで約4.5キロ。この往復は何度かやったことがある。
そこからスカイツリーへ向かうには、橋を渡って隅田川に沿って歩く。
両国橋から1つ、2つ、3つ目の駒形橋で浅草通りを東へ進めばよい。
スカイツリーまで片道約7.5キロのロングウォークになる。
と、地図でしミューレーション。
そのうち行ってみよ。
よく晴れた日に。
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by io_hazuki
| 2010-11-16 09:21
| ◆魚のサンポ道
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春は花見で人が賑わう界隈。
桜はもちろん好きだけど、それと同じくらい、いや、桜以上かもしれず、楽しみなのが黄金色の季節。
日に日に地面を覆う落ち葉が増える頃、徐々に徐々に黄色に染まっていく銀杏の木々。
やがて陽の光と青空を受けて黄金色の景色をつくる。
人それぞれに人生の季節に差があるように、同じ場所に集う同じ種類の木にもそれぞれに、黄葉に満ちる時期に違いがある。桜の花にも遅咲き、早咲きがあるものね。
今はまだ、緑の中に黄色を混ぜた黄緑の頃。
桜は開花宣言があって、花の時期に合わせて“さくらまつり”が人を呼ぶ。
黄葉の“いちょうまつり”はないけれど、金色の光を湛える景色に日々変わりゆく、秋から冬への儀式に、密かに心躍らせる。

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by io_hazuki
| 2010-11-15 11:57
| ◆魚のサンポ道
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by io_hazuki
| 2010-11-14 17:05
| ◆魚のサンポ道
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駅を出ると、何て青い空!
秋のポカポカ陽気のなか、降り立ったのは京王相模原線の多摩境駅。
ここから歩いて20分ほどのところに、いい温泉施設があると聞いて平日日中にやって来た。
街路樹には何て艶やかな赤い実!
晴天の空と、鮮やかな秋の実の色に、平日温泉のちょっとした罪悪感が払拭される。
都合がついたのだから、いいのだ!
「ワインを飲んでる時間を無駄な時間と思うな」とはユダヤの格言。
ゆえに、温泉に来るのも無駄なことではないはず。
ところでこの赤い実は何の実だろう?
あとから調べてみると、ハナミズキの実らしい。
桜の季節と相まって咲く白い花。
それが秋には食べちゃいたいほどの可愛い実をつけるとは。
目論見どおり「いこいの湯」でゆったりいいお湯に浸かり、外へ出てみれば、夕空がきれいな色合いを見せていた。
夜とバトンタッチしつつある空をバックに、高圧線から伸びる電線には白い月が浮かぶ。
湯上がりのほどけた心と身体がうっとり堪能する、東京ベッドタウンの美しい光景。
休息を無駄な時間と思うなかれ。
いい一日が暮れていく。

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by io_hazuki
| 2010-11-10 17:04
| ◆魚のサンポ道
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もう暫くすると、境内の、とくに桜の木がある小石の広場は、落ち葉が幾重にも積もり、山盛りの枯れ葉を運ぶお掃除の人たちの姿が目に付く。
今はまだ、枯れ葉と呼ぶには早い落ち葉たち。
新鮮な色づきのまま枝から離れ、整った形のままに、風にまかせて地上に降りる。
若い落葉に朽ちる影は無い。
茶うけを真似てか、小さな葉の受け皿になっている葉を見つけた。
「どうぞ」
とでも勧められているかのようで、シャッターを一押し。
「いただきました」
茶うけの葉をカメラにおさめ、何だか甘いものが食べたくなった。

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by io_hazuki
| 2010-11-08 13:14
| ◆魚のサンポ道
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東北自動車道を降りて20分ほど、カーナビに従って着いたところは美術館。
ノーマン・ロックウェルの企画展が日曜までと聞き、昼前に都心を抜け出て一路、郡山へ来た。
空が広い。
高い建物に遮られることない空は光と影のコントラスト。
青空だった東京よりも冷たい空気が、身体の内に染み渡る。
ほんの少し冬の乾いた匂い。
毎年、何度も迎えてきた冬なのに、薄着の夏を廻った頃には寒さの感覚を忘れている。
冬ってこんなに寒かったっけ?
ってな具合に思い出すのだ。
まだまだ本格的な寒さを思い出すには至らないが、微妙な雲模様を楽しんで眺めるうちに、ちょっと寒さの感覚が蘇る。東京の冬なんて、大した寒さのうちには入らないのだけれど。
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by io_hazuki
| 2010-11-05 14:34
| ◆おまけの一枚
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雨が多い今年の秋。
晴れの日の、陽の光を湛える澄んだ青空に胸が空く。
日暮れの時刻が早まるこの頃は、午後の陽射しがすぐに弱まり消えうせる。
晴天に呼ばれて向かった公園。
ボール遊びの子どもたち、遊具で遊ぶ親子連れ、ベンチで過ごす休日のお父さん。
陽を受ける公園は、そこかしこが賑やかで穏やかで、緩やかな風に木の葉がそよぐ。
じきに黄金色になる銀杏の木は、
ちろちろ、ちろちろ、
陽に透ける扇の葉を細かに震わせ、そこからは光の音色が聞こえるよう。
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by io_hazuki
| 2010-11-03 12:39
| ◆魚のサンポ道
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朝からの曇り空。
天気のよい日はなかなか独りの場所が見つからないが、雲が垂れ込める日はベンチの空きが多いのが嬉しい。
ところが、自分の場所を確保した途端に薄日が射してきた。
ほんのちょっと天気がよくなっただけで、急に境内の人通りが増えるから不思議だ。
頭の上では、鳩の群れが旋回し始めた。
ぐるぐる、ぐるぐる、何か意味があるのだろうか。
鳩の旋回も天気が回復したせい?
頭上高く、何度も行き過ぎる鳩の群れ。
その様子を撮ろうとレンズを空に向け待ち構えるが、シャッターチャンスを逃すばかり。
二度、三度とトライして、ようやくまばらな影を納めたところで、独り占めしていたベンチを誰かに譲るタイミング。晴れてくれるのは嬉しいが、長居は何となく落ち着かない。
いくつもあるベンチに、相席で座る人はめったに見ない。
少し歩いて振り返ると、すでにベンチは新客を迎えていた。
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by io_hazuki
| 2010-11-01 14:50
| ◆魚のサンポ道
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