仕事帰りに、車で三浦半島の荒崎へ向かった。
人けのない荒崎の入り江。
視界が群青色に落ち始めた頃、橙の大きな月が昇っていくのを見た。
半熟卵の黄味がかったライトは水面を照らしながら海を離れ、景色をまあるい月夜に塗り替える。
すると、そのうち、暗い水平線の彼方に赤や黄色の光が弾けだした。
あれは、どこの花火だったのだろう。
月を見にきたのでもなく、花火を見にきたのでもなく、なぜか夜の海へ行った夏の日の不思議な光景。
8月の、夏が高まる頃になると思い出す。
あのときの潮の香り……。
ふと深呼吸をしてみるけれど、 光景は浮かべど匂ひは届かず。
人けのない荒崎の入り江。
視界が群青色に落ち始めた頃、橙の大きな月が昇っていくのを見た。
半熟卵の黄味がかったライトは水面を照らしながら海を離れ、景色をまあるい月夜に塗り替える。
すると、そのうち、暗い水平線の彼方に赤や黄色の光が弾けだした。
あれは、どこの花火だったのだろう。
月を見にきたのでもなく、花火を見にきたのでもなく、なぜか夜の海へ行った夏の日の不思議な光景。
8月の、夏が高まる頃になると思い出す。
あのときの潮の香り……。
ふと深呼吸をしてみるけれど、 光景は浮かべど匂ひは届かず。
岬の入り江、月の道
波音ゆらゆら響いて揺れて
耳に体に届いて染みて
潮の香りにわたしも香る
不意に 水平線に灯る花火
赤いリズムに弾けて笑う
今夜の月は、優彩の橙
ゆらゆら響いて ほどけて揺れて
<2000.08.04>
by io_hazuki
| 2015-08-09 12:46
| ◆いおろろ一枚